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漢の武帝は、即位から30年ほどで征伐や制度改革を終え、その後は「守成」(築いた政治体制を維持し、安定させる段階)に移るつもりだったのではないか。 陳蘇鎮先生の新著『漢政与王道』で紹介されている解釈です。 『論語』には「如有王者、必世而後仁」とあり、一世は30年と解されます。武帝が泰山で封禅を行ったのは、ちょうど即位31年目のこと。しかも当時、封禅の儀礼はまだ十分に整っていませんでした。 陳先生は、それまでの征伐や改制の経緯も踏まえ、武帝がこの時期を一つの区切りと考えていた可能性を指摘しています。 ところが、西域経営が難航し、対外戦争はその後も続きました。予定していたかもしれない守成への移行も、結局は先延ばしになったというわけです。 もちろん、武帝自身が30年という期限を明言した史料はありません。あくまで複数の史料を組み合わせた推論ですが、武帝の生涯を考えるうえで興味深い解釈だと思います。 陳蘇鎮先生は秦漢の政治史・政治文化史を長年研究されている歴史学者です。新著『漢政与王道:漢代政治演進与治理模式変遷』もおすすめです。
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